尼崎市の下水道
印刷 ページ番号2000838 更新日 2020年8月3日
尼崎市の下水道事業について
尼崎市の下水道事業は、都市の「浸水を防ぐ」ことから始まりました。
尼崎市が誕生したのは大正5年、現在、本市の南部は工業地帯ですが、明治から大正期に掛けて臨海部に工場が進出し、大正から昭和に掛けて工業が発展することに伴って、工場が地下水を大量に汲み上げることで地盤沈下がどんどん進みました。地盤沈下が進んだ結果、市域の南側3分の1が海抜0メートル地帯となりました。
尼崎市で最初に浸水被害を受けた自然災害は1934年(昭和9年)9月の室戸台風によるものだったと言われており、地盤沈下が原因で浸水被害が大きくなったとも言われています。
室戸台風の被災後に最初の浸水対策として1936年(昭和11年)頃から抽水場と呼ばれる小規模ポンプ場を順次整備していきました。(なお、抽水場は下水道の整備に合わせて順次廃止し、現在6施設のみ残っています。)
下水道を本格整備するきっかけとなったのが、1950年(昭和25年)9月に上陸したジェーン台風です。ジェーン台風と高潮の浸水被害(死傷者数256人、家屋流失及び全半壊8,079戸、床上浸水18,679戸、床下浸水6,951戸)を受け、排水施設の必要性を痛感し、外水対策として武庫川、神崎川の護岸も含めた高潮防潮堤の建設及び内水対策として公共下水道の整備が検討された結果、1953年(昭和28年)に下水道事業を実施する運びとなりました。
なお、1956年(昭和31年)11月には、地盤沈下の原因となった地下水の汲み上げの代替となる工業用水道の供給を開始しました。
尼崎市の下水道事業は1953年(昭和28年)から下水管の整備に着手し、1967年(昭和42年)から本格的な下水処理を開始しました。1975年(昭和50年)頃からは「市の重点施策」として下水の処理区域の拡大を一気に押し進め、東部浄化センター、北部浄化センターと呼ばれる2つの処理場の運営を開始しました。
現在、尼崎市の下水道普及率は、ほぼ100%となりましたが、建設当初の下水道施設が順次、耐用年数を向かえることとなり、機能を維持するため老朽化した施設の改築更新に取り組んでいます。また、近年増えている集中豪雨に対する浸水対策、想定される地震への対策、水質保全のための下水に含まれる窒素、リンの削減を図る下水の高度処理を推進するなどの課題にも現在取り組んでおります。
尼崎市公共下水道事業に関するあゆみ
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区分
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主な事項
- 1950年(昭和25年)
- ジェーン台風による高潮での浸水被害
- 1951年(昭和26年)
- 建設部河川課下水係の創設
- 1953年(昭和28年)
- 下水道事業に着手
- 1958年(昭和33年)
- 下水道法(現行)の公布
- 1959年(昭和34年)
- 公共下水道の供用開始(下水道使用料の徴収開始)
- 1960年(昭和35年)
- 尼崎市下水道条例(現行)の公布
- 1962年(昭和37年)
- 東部処理場の簡易処理を開始
- 1963年(昭和38年)
- 西川中継ポンプ場の供用開始
- 1965年(昭和40年)
- 尾浜中継ポンプ場の供用開始
- 1966年(昭和41年)
- 中在家、大庄中継ポンプ場の供用開始
- 1967年(昭和42年)
- 東部処理場の高級処理開始
- 1970年(昭和45年)
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下水道法の一部改正(水質等の公害関連の充実)
- 1971年(昭和46年)
- 人口約55万4,000人に、最高となる
- 1976年(昭和51年)
- 武庫川流域下水道下流処理場の供用開始
- 1978年(昭和53年)
- 栗山中継ポンプ場の供用開始
- 1982年(昭和57年)
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東部処理場を東部第2浄化センターに名称変更
北部浄化センター、東部第1浄化センターの供用開始
- 1986年(昭和61年)
- 武庫川下流処理場の管理を市の委託から兵庫県に返還する
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1988年(昭和63年)
- 高田中継ポンプ場の供用開始
- 1989年(平成元年)
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富松中継ポンプ場の供用開始
兵庫東下水汚泥広域処理場(日本下水道事業団所管)の供用開始
- 1993年(平成5年)
- 東難波雨水ポンプ場の供用開始
- 1999年(平成11年)
- 人口普及率が99.99%になる
- 2001年(平成13年)
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東部第2浄化センターの下水処理施設を東部第1浄化センターに統合
東部第2浄化センターをポンプ場に機能変更
- 2003年(平成15年)
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兵庫東下水汚泥広域処理事業が日本下水道事業団から兵庫県に移管
東部第1浄化センター包括的民間委託の開始
- 2005年(平成17年)
- 整備率(面積ベース)が99.9%になる
- 2006年(平成18年)
- 東部第1浄化センターを東部浄化センターに名称変更
- 2011年(平成23年)
- 大庄ポンプ場包括的民間委託の開始
- 2012年(平成24年)
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尼崎市下水道ビジョン策定
尼崎市雨水貯留タンク設置助成金交付事業を開始
- 2019年(令和元年)
- 東部浄化センターで下水の高度処理を開始
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