尼崎市水道通水100周年記念誌
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り、干潮時に川の水を汲んで飲用や炊事などに使用していました。また、わずかな良質な井戸から汲んだ水を桶で売り歩く「水屋さん」もいましたが、水を買える人は一部に限られ多くの人は、不良な井戸水や川の水を使用していたため伝染病流行の原因となっていました。 ただし、寺町一帯(現在の阪神尼崎駅周辺)の井戸水は良質でした。そのなかでも本興寺の井戸は深さ2m40㎝(8尺)ほど、無色透明で量も豊富にあり、誰でも汲めるように開放されていました。コレラの流行時には川の水の使用が禁止されていたので、本興寺の井戸はコレラ流行時や干ばつなど、再三にわたって尼崎を襲った水危難を救ってきました。水道ができるまでの尼崎では、市内に良質な水が少なく、本興寺の井戸などから汲んだ水を売る水屋さんがいました。▲ 創設時の管網図歴史をめぐる03 _ 尼崎市水道の100年を学ぶ

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